井上理恵の演劇時評

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zoom RSS パルコプロデュース 佐々木蔵之介「BENT」(マーティン・シャーマン作、徐賀世子訳、森新太郎演出)

<<   作成日時 : 2016/07/14 15:57   >>

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「BENT」を観た(2016年7月13日世田谷パブリックシアター)

 幕開き、マックス(佐々木蔵之介)とルディー(中島歩)の対話を聞いて、「えっ、またゲイ・・・!」 と、

うんざりした。そして、ねむくなった〜〜〜〜とにかく身体が、嫌だと拒否して直ぐに眠くなる・・・・

 

 この芝居の事前調査はしていなかった。だいたいいつも調査はしないで行く。


 11日に観たつまらない芝居(松尾スズキ)がゲイの芝居で呆れかえったから、叉かと身体が拒否したのだ・・・・・


 ところが、これはまことにシーリアスな、ゲイに与えたナチの犯罪的な事実を知らせる悲劇であった! 

素晴らしい舞台を展開していくではないか・・・・特に佐々木がいい芝居をしている。

 (台本未見、翻訳未見。日本での初訳は、青井陽治で、1981年に劇書房から出ている)


 戯曲は、マーティン・シャーマンが1979年に発表し、初演された。

  ゲイのストレートな舞台は初めてて、初演は大変だったらしい。

  ロンドンのウエストエンド、ロイヤルコート劇場。初演は熱狂的に迎えられ、ロングラン。
 
 作家の シャーマンは、ゲイでユダヤ人だという。
 今回の舞台は、写真を見る限り似たように作っていたようだ。
      戯曲に指定があるのかもしれない・・・・

この戯曲はナチ政権下、1934年「血の粛清」の大迫害を題材としている。
 これまであまり表面に出てこなかったゲイへの迫害。

  ヒットラーは自身の手足となった突撃隊長レーム(彼はゲイだった)を粛清した。
 ユダヤ人を、政治犯を、犯罪者を・・・・迫害。
ユダヤは黄色い☆、政治犯は赤い△、犯罪者は緑の△、ゲイはピンクの△
        ・・・・胸に付けて強制収容所に隔離した。 そして殺した。

 
  マックスとゲイのホスルト(北村有起哉)が、岩を運んでいる最中に正面を向いて、
    セリフだけで愛を交換する図は、
 初演時も話題になったらしいが、セックスが抽象的概念で可能であることを示している。

  何もはだかになったり、抱き合ったり、ベットに寝たり、実際に見せなくても、
   確実に台詞で表現することが出来ることを示した。言葉の力でエロスが漂うのである・・・・・

  イギリスの劇作家が1979年に書いたというのをしって理解できたが、かの国は凄い!
 それに比べて現代の日本の劇作家は、だめだ〜〜〜 
  つまらないテレビの番組を見ているようでみっともないかぎりだ〜〜〜

  いつものように笑い転げていた若者も、さすがにこの芝居では、笑いが途中で消える・・・・

  郡司正勝は、かつて 芸能は政事と性事を表現する と言った。

 そうなのだ、正面から政事を扱い、性事を扱わなければならないのである。  

  笑い転げている間に、日本国は、かつてのヒットラーが力を揮った国のようになってしまう。


 異性愛を国家をあげて推奨し、子作りに励めと言い、「結婚できない人のいない国に」 などと宣伝をする国は
 怖い・・・・

   結婚紹介所が、こんなにも沢山ある国も・・・ないのではないだろうか・・・・


 人口は減ってもいい、こんな狭い国にたくさんいても困る。少ないなりに暮らせばいいのだから・・・・

       とにかく「この頃おかしいのだ、この国は」

      結婚しようがしまいが、誰を愛そうが、個人の自由だ。

  職場で未婚者、特に女性を追い込み、いじめをする国は、世界にあんまりないだろう

 
  税金を払って、いじめられて・・・・・おかしな国ではないか・・・・全く・・・  

 自由が欲しい〜〜〜 自由をなくしたくない〜〜〜 だれでもそう思っているに違いない

   等々・・・・・いろんなことが頭に浮かんだ・・・・  

 この芝居以下のサイトで紹介されている。是非一見を・・・・・

  www.parco-play.com/web/program/bent2016/

 



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