井上理恵の演劇時評

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zoom RSS 国際演劇祭「人民の敵」ベルギー、ティージースタン(tg STAN、シアタートラム)

<<   作成日時 : 2016/12/13 09:40   >>

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ベルギーの「人民の敵」を観た(2016年7日、シアタートラム)

この集団は、アントワープコンセルヴァトワールの演劇学校生の4人(今回の出演者)が、
既存劇団組織制度に属したくなくて1989年に設立したカンパニーだという。

 集団の名前〈スタン〉も〈名前を考えるのは止めよ〉の頭文字。

 そして各々が個々の役者、芸術監督、演出家という考えで活動を続けているという。

 階級差をなくすことが前提なのだろう・・・・   およそ27年続いているというから、驚く!


  今回は、「人民の敵」が題材だから、彼ら集団の意図によく合っているといえる。
 
 プレイビルによれば、

 「この作品は、アジプロのスタイルで民主主義の誠実さの欠落や民衆の策略、虚偽、脅迫、
そして彼らの不寛容さを我々に示している」

 とある。

 民主主義の負の部分は、何でも数の論理で動くところだ。

イプセンは既に19世紀末にそれを提示していたのだから驚くが、今回の舞台にも驚いた!!

 ストックマン博士を、フランク・ヴェルクルイセン
 ペーテル・ストックマンモルテン・ヒール、船長の三役を、ダミアン・ドウ・シュリバー
 ストックマン夫人、ホヴスタヒルング、アスラクセンの四役を、ヨレンテ・ドウ・ケースマイケル
 べートラストックマンホヴスタ、ヒリングの三役を、サラ・ドウ・ロー 

 プロンプターをロビー・クライレン

 色分けして分かるように、同じ役を異なる俳優が場面により演じている。

 男優二人と女優二人は、色の異なるスーツを着ている。男優はネクタイを締めている。
 プロンプター役は、舞台下手のデスクに座って、俳優に聞かれると答えている。

 4人は、一幕は舞台奥にデスクを置いてそこに座り、演技をというか、セリフを言う時に前舞台に出てくる。
 二幕は、デスクが舞台前面に出されていた。

 ほとんどが立ってセリフを言うだけで、日本で時々立ってやるリーディング形式に似ているが、結構自由に動いている。 演技ということではなくて、アジテーションをしている感じ・・・・・

 そういう舞台であるから、発言も時折アドリブが入り・・・・議論も白熱する。 

 しかし聞いているほうは疲れる。…・よく20年以上も続いたと思う。

 ベルギーの人々は、凄いと思った。

日本のように、自ら進んで考えることを好まない人たちが多い国では無理だ。

日本では、たのしい、哀しい、考えさせる、怒る、笑う、

そんなものがないと、とても議論にはついていけないから・・・・・

    目新しさがあるから見ているが、慣れてくるとつまらない。飽きる。疲れる。

  ・・・・自由にセリフを言っているが、勝手にやりすぎない?  決まりはないの?  

  ・・・・・等々、そんなことを思ってしまった夜であった。 

 
 

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