井上理恵の演劇時評

アクセスカウンタ

zoom RSS 国際演劇祭 クルージュ・ナポカ マジャール劇場「ヘッダ・ガブラー」(ルーマニア)

<<   作成日時 : 2016/12/13 10:10   >>

トラックバック 0 / コメント 0

有名なアンドレイ・シェルバン演出「ヘッダ・ガブラー」を観た(2016年12月11日シアタートラム)

 ヘッダ・ガブラー:  イモラ・ケズディ

 イェルゲン・テスマン: ゾルト・ボグナーン 、エルヴステート夫人: アニコー・ペトホー
 
 判事ブラック: アンドラーシュ・ハタージ 、 エイレルト・レェーヴボルグ:エルヴィン・シューチェ

 ユリアーネ・テスマン: チラ・ヴェルガ 、 ベルテ: レーカ・チュトク

 
ルーマニアのクルージュ・ナポカ市にマジャール民族の芸術団体が1792年に設立された。

マジャール劇場は1961年から。 ハンガリー語で芝居を上演する劇団。
   初来日である。ハンガリー語は初めて聞いたが、なんだかとても洒落ていた。  

 アンドレ・シェルバンの演出は、非常にウエルメイドであった!  上手に作り上げられていた。

 今回の上演が、「ヘッダ・ガブラー」というイプセンの近代古典の戯曲を完全上演したような形。

もちろんセリフのカットはあり、現代風になっているが・・・・・それは古典を舞台に上げるときには当然のこと!

 男性演出家が「ヘッダ・ガブラー」を上演すると、
どうしても彼女の意地の悪さや贅沢さやジェラシー、男を誘う様子などが前面に出る。

 簡単に言えばいやな女になってしまう。

 そして彼女のいらだちや恐れ、ジレンマ、不条理を裡に抱えた哀しみなどが消される。
偉大なガブラー将軍のお嬢であることが、彼女を苦しめ、自由を奪っていたことなどは消される。
 生きるためにテスマンを選択した自分に対する怒りなども消される。

今回は特にウエルメイド仕上がり版であるから余計にそうであった。


 男性俳優は、大人で――日本のように若い青年がやらないから、余計に演出の意図が前面に出てくる。

 ヘッダ役の女優は、少し豊満で魅力的、

かたやエルヴステート夫人(テア)役は、美しいが瘦せた女優で魅力がない。

 日本だと、痩せたきれいなだけの女優が、ヘッダをやるだろう・・・・・これではヘッダではない

 感じ方の違いは怖い・・・・  

 性や愛の受け取り方が異なるのが、外国の集団を観るとよくわかる。

 やはり「ヘッダ」はユーニ・ダールの表現が、一番ぴったりだった!

 アメリカで名を挙げたというアンドレイ・シェルバンは、マンハッタン好みの演出家なのだと思った次第。

月別リンク

国際演劇祭 クルージュ・ナポカ マジャール劇場「ヘッダ・ガブラー」(ルーマニア) 井上理恵の演劇時評/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる