井上理恵の演劇時評

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zoom RSS 市川右團次襲名披露 「雙生隅田川」(近松作、三代猿之助補綴・演出)

<<   作成日時 : 2017/01/19 10:09   >>

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右團次の襲名「雙生隅田川」を観る(2017年1月18日マチネ 歌舞伎座)

 猿之助一門の舞台は、隙間風が吹いていないからいい・・・・! 

 実のある面白い舞台であった。

 1983(85?)年に三代猿之助が復活上演した時、観ることが出来なかったから、初めて見た。

 三人の宙乗りが当時も話題であったというが、今回もそれを見たくて・・・・

 当時は天才子役と言われた亀次郎(現四代猿之助)が、梅若丸・松若丸を演じた。
今回はそれを右近の子息が二代右近をついで演じ、初舞台。可愛い!

 右近は、七郎天狗で三代右團次を襲名。これは復活上演の時、三代猿之助がやった。

 班女御膳が四代猿之助。復活時は菊五郎だった。

 今回の内容は、近松の、一応は時代物。
お家騒動に世話場もあり、殺戮、ケレンもあり、水場もありの「お客様」第一の作。

 右團次や猿之助を見ていると、三代猿之助が浮かんでくるから楽しい。

 そしていつもおもうのだが、この集団はチラシに名前が載らない役者たちに〈気〉が入っているのもいい。

 歌舞伎は芸の継承だから、どんな風に受け継がれ、そしてそれが、受け継いだ俳優の自分らしさを取り入れて
どう変化するのか・・・・それが歌舞伎を見続けている観客にとっての楽しみとなる。

 口跡や所作が、どのように継承化され変化するか・・・・ということだ。

 演劇は生きているから、時代の風に乗ったり、逆らったりして、いきることになる。
    
     そこが面白い。

 中車も登場して、猿弥・笑也・笑三郎などおなじみの一門に、

   海老蔵・男女蔵・米吉・門之助・廣松などが参加

 新右團次・右近の出発を祝う。三田会からの引幕の美しさ。


  猿之助は、明治の時代から常に新しい演劇を提供しようとしてきた一派だった。

  これからも隙間風を舞台に吹かせず、面白い歌舞伎を見せてほしいと四代猿之助に願う。

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