井上理恵の演劇時評

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zoom RSS 桐朋芸術短大演劇専攻50期ミュージカルコース卒業公演「ヴェローナ物語」(横山由和作・宮崎真子演出)

<<   作成日時 : 2017/02/18 20:41   >>

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50期生の卒業公演「ヴェローナ物語」を観る(2017年2月15日夜・俳優座劇場)

 再演「ヴェローナ物語」は、今回も学生たちの意欲と熱気で楽しい舞台を作り上げた!
    (初演は47期生。このブログの2014年2月21日にアップした)

 ヴェローナには、ジュリエットの家があり、今は観光客でにぎわっている。
わたくしが訪れた時は学生アルバイトの二人がロメオとジュリエットのバルコニーの場を演じていた。

 シェークスピアは、一度も訪れたことのないイタリアの話――いがみ合う家同士の子供たちの初恋――
を実に上手に作り上げている。

(18世紀に歌舞伎の「妹背山婦女庭訓」―久我之助と雛鳥の恋ーで似たような恋が描出されている)

 つまり、人間が作り出す関係性の社会には、こんなことはよくあるということだ!!!

 演劇学校の卒業公演は、ミュージカルコースだと、
 歌えて踊れて演技して…・・これが確実に身についているかどうかが重要になる。
しかも学生が舞台に上げるのだから、筋に何らかの哲学…希望なり期待なりが、教育的見地から必要になる。

 この作品は、誰もが一度は通る道―――「他者に感じる恋心」を〈核〉に据えている。
若い学生たちが、〈真実の恋〉を求めて、的確に素敵に演じていた〜〜


 現代の若い女性(坂井好)が若い男からのプロポーズに迷っていると友人(浦山遥)に語るところから始まる。

三人の占い師(加藤きらり・高津木乃美・露木玲於奈)に導かれて過去の世界へ・・・・・・
占い師は、愛のキューピットに変身する(三人のダンスが素直できれいで洒落た雰囲気を出していた)

 若い女性はジュリアン(きれいな声で素敵に歌う)に変身、あろうことか彼女の婚約者は、
放蕩物の代名詞になっているドン・ジュアン(池田紫陽…軽く演じていて中々いい)という設定!

 浮気者のドン・ジュアンが真実の恋に目覚めるか否かということだ・・・・・・これは過日宝塚で上演した「ドン・ジュアン」の発想と重なる・・・・この舞台もブログで批評した・・・・・

(しかし、ドン・ジュアンは、そうならないところが、ドン・ジュアンたる所以だから・・・・難しく考えるとあり得ない…)



 ドン・ジュアンがスガナレル(藤川航・・・好演)を連れて恋(女)を求めて旅をし、
いきついたところが「ロミ・ジュリ」の地だった・・・・・


 大公(望月肇)が収めるこの地は、二軒の家が争っている。

キャピロット(西岡隆太)とその夫人(田中麻鈴)、ジュリエット((松山莉奈)、乳母(向井はるの)、
ティボルト(新堂菜津子…研究したのか…個性的に演じていた)の一族

モンタギュー(氏家洸)とその夫人(辻奈々)、ロミオ(中路わかな)、

そしてマキューシオ(加藤舞美)とグレゴリー(三島早穂)

 ロミオ役とジュリエット役が、子供っぽかったから、全てがうまく運んだと思う。

 仮面パーティーの場で、ドン・ジュアンがジュリアンの歌声に恋をする

ベランダの場は、「シラノ・ド・ベルジュラック」の恋を打ち明ける場面を利用・・・・

  ドンジュアンがロミオの恋を打ち明ける代わりをするという設定。
 
最後は、全て丸く収まる・・・・という話だ・・・・!

 他に内藤麻美・中島彩咲・渡邉宇蘭たちも頑張っていた・・・・ 

 もう一つの組の面々も・・・・・舞台に出ていただろうからあげておこう・・・・・
遠藤真結子、大石直人、上之薗花奈、神崎志穂、小泉咲恵、関谷智裕、
茶谷力輝、平野智大、松村満里奈、渡邉貴裕ら・・・・


 他に音楽は・・・・作曲・編曲二本柳一明・上田聖子  音楽監督・・・後藤浩明

  演奏・・・松島雪子・野武大誠・吉成彩音
  テクニカル・アシスタンス・・・辻敦尊

衣装プラン…加納豊美 歌唱指導・・・・信太美奈 
振りつけ・・・スズキ拓朗 制作・・・・藤田ゆみ


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