井上理恵の演劇時評

アクセスカウンタ

zoom RSS 宝塚 月組美弥るりか主演「瑠璃色の刻」(原田諒作・演出)

<<   作成日時 : 2017/05/20 07:52   >>

トラックバック 0 / コメント 0

「瑠璃色の刻」を観た(2017年5月18日赤坂ACTシアター)

 原田諒のフランス革命前夜の錬金術師サン・ジェルマン伯爵を題材にした脚本は、最悪だった!

原田は、宝塚の期待を一身に背負った若手らしいが、どうにもよくない。

台詞が古い、ベルばらか・・・! と思うほどで、植田が作っているのかと瞬時間違えるほど・・・・だった。
(台本未見)

新しい視点で錬金術師を扱うなら、今少しいいセリフを書かなければだめだ。

原田の演出は、幕前芝居が多くてうんざりしていたが、
今回は幕前芝居はないものの、代わりに大仰な装置でコケ脅かし!
(「リンカーン」も大きい階段を使用していたが・・・・・)

大仰な装置は、宝塚舞台が作っているから素晴らしいものであった。
中央の錬金術を意味する丸い部分は、場に応じて照明で色合いが変わるのも良かった。

が、いかんせん大きすぎてらせん階段が前に来ると前舞台がなく、
ロベスピエール(宇月颯)などは、動きが制限されてお気の毒としか言いようがなかった。


美弥るりかの主演で月城かなとが組み返えしてきた舞台なのに、折角の俳優たちがもったいない。
 
それでも演者たちは、いい雰囲気を出していてアントワネット(白雪さち花)などは主役のように素晴らしかった!!

それはこの本でアントワネットが唯一筋の通った役であったからだ。

 シモン(美弥るりか)は、曖昧でサン・ジェルマンに変身するところまではいいのだが、その後が続かない。
張り切っている美弥には気の毒だった。

 他方でジャック(月城かなと)とアデマール(海乃美月)は、ベルばらでアントワネットの世話をする平民の二人(役名失念)のように位置付けられているし、どうにもベルばら色が強くて、出来が悪い。

 新しい発想で作れないなら、原作を脚色し、演出の腕を磨くことだ。

 原田は、原作のある脚色物にむいているのかもしれない・・・・・・

いずれにせよ、期待の演出家なのだから、もう少しいい舞台をつくらなければ、
演じるスターたちが気の毒だし、満員の観客も裏切ることになる……

 次は、もう少しいい本を書いてほしいものだ・・・・

  

 救いは、最後のフィナーレのダンスだ。

これは振りつけがいい・・・・・・

宇月中心の場も、月城中心の場も、それぞれが男役、娘役と共にいい雰囲気を出していた。
スターたちも溌溂と踊っていたから、彼らもホッとしたのかもしれない・・・・・

最後の美弥と海乃のデュエットダンスも美しく洒落ていた。

 やっとこの場が来て観客が救われるようでは、物書きとしてダメだろうに・・・・・・奮闘してほしい・・・・

 
 

月別リンク

宝塚 月組美弥るりか主演「瑠璃色の刻」(原田諒作・演出) 井上理恵の演劇時評/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる