井上理恵の演劇時評

アクセスカウンタ

zoom RSS 宝塚星組 紅ゆずる主演「ベルリン、わが愛」(原田諒作・演出)

<<   作成日時 : 2017/12/24 11:49   >>

トラックバック 0 / コメント 0

星組の「ベルリン、わが愛」を観た(2017年12月23日東京宝塚劇場)

 評判がかんばしくないのは聴いていたが、原作・演出がどうにもよくない。

紅をはじめ綺咲愛里・七海ひろき・凪七瑠海・壱城あずさ・礼真琴・天寿光希・音波みのり・如月蓮ら・・・主要人物たちが熱心に役作りをして、どうにか舞台を盛り上げようとしていても・・・・・どうにもならない。

舞台が弛緩して、緊迫感がなく、空々しく、演者たちが頑張れば頑張るほど、演出の力のなさが、目立つ舞台であった。

原田諒は、大きな責任を感じなければならいと見ていて思った。安易すぎるのである。
もう少し勉強すべきである。

他の商業演劇では、こんな舞台はざらだ。だから客席は空いている。

しかし宝塚の場合、一人一人のスターに力強いファンがいて、彼らが宝塚を支えている。だから客席は空にはならない。

スターたちばかりではなくファンたちも裏切ることになるのを、演出者は自覚すべきであると、痛切に思う。


気づいたところをあげると、場面作りが安易で、他の組で上演した場面の焼き直しもある。

いたずらに歌が長くて、緊迫感をそぐ。

恐らく歌に逃げていたのだろうと邪推する程であった。が、逃げることもできないのだから、皮肉だ・・・・・

芝居の歌は、短くていいのである。

特に宝塚は、後にショーが付くのだから・・・・とにかくしっかりした作品を提供してほしい。

  これは近年にない駄作である!


ショーはベテランの酒井澄夫の「ブーケ ド タカラヅカ」

 目まぐるしいショーが近年は多く、しかも品位に欠けるショーも多く、つまらない商業演劇風になりかねないものも見えて、残念におもっていた。

 が、過去を振り返るショーの作りは、品があり、美しかった。

演者たちも、あたかも前の作品の口には出来ない不満を解消するかの如く、
溌溂としていていい舞台を生み出していた。

特に最後の三組のデュエットダンス(紅・綺咲、礼・有沙、七海・音波)、そして凪七の歌、この場面は、秀逸!!
凪七は、声につやがあり一段と魅力的になって驚く。

デュエットダンスが、主演同志ばかりではなく三組で表現することが、近年は多い。これはとてもいい!
宝塚は、主役だけの舞台ではないからだ。


ショーが、前のミュージカルという命名の芝居の不満を救ってくれた・・・・・

月別リンク

宝塚星組 紅ゆずる主演「ベルリン、わが愛」(原田諒作・演出) 井上理恵の演劇時評/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる