井上理恵の演劇時評

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zoom RSS SPAC 「ミヤギ能 オセロー 〜夢幻の愛〜」(宮城聡演出、平川祐弘謡曲台本)

<<   作成日時 : 2018/02/13 21:42   >>

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ミヤギ能「オセロー 〜夢幻の愛〜」を観た(静岡芸術劇場 2018年2月11日)

 久しぶりで宮城聡演出作品を観に行った。
出演者たちの演技がかなり上達していて驚いた!!

 舞台上に小ぶりの能舞台がしつらえてあり、舞台が黒く光るため水面に能舞台が浮かんでいるように見えた。

端正な装置は、外国ではさぞ喜ばれることだろう。

 経文のように変体仮名だかひらがなだかが着物に書かれた衣装と簡略な袴を皆が付けている。

オセロ役の阿部一徳は顔を赤黒くし、着物の地色は黒、
ロダリーゴ(加藤幸夫)は桃色、イアーゴ(大道無門優也)は若草(?)、
地謡はグレー。

ワキは、僧のようで衣装もそれなりの衣(本多麻紀・・・確か髯があった。衣装に文字はなかったような気がするが・・?)

デズデモーナの地謡(鈴木)は濃いめの紫(?)に袴、ムーバーの美加理は、ひとり白の薄衣で白拍子の如き衣装(これにも文字が書かれている)、相変わらず美しく、デズデモーナの亡霊のようであった!


芝居は、前場、間狂言、後場という構成になっている。

前場は、僧やデズデモーナの地謡、その他の地謡が、物語の始まりの部分を語る。

 間狂言で、イアーゴのたくらみが告げられた。オセロをそそのかすセリフが続く。
ここでオセロの右腕に甲冑の腕と手の部分がイアーゴによってつけられた。

 後場で、オセロがデズデモーナの首を絞める時、美加理が右手でこれを持ち、自分の首を絞める振りをする。
オセロは出てこない。効果的な甲冑の腕の使い方であった。

が、・・・・いささか気味が悪かった。妙に具体的で作り物に見えなかったからだ。

能舞台では、明らかに作り物であることで、抽象化が、可能になると思うからだ‥…


 アフタートーク(宮城・阿部一徳・鈴木陽代・美加理が出席)によれば、ニューヨークでこれを上演していたそうでだ。

この日は日本の初日であった。(13年前にも上演したそうだが、観ていない。今回の台本未見)

静岡芸術劇場 3月11日まで土日に公演しているから、是非一見を!



「オセロー」の日本初演は、川上音二郎と貞奴であった(1903年2月)。

丁度、今月私の単著が出る。
『川上音二郎と貞奴3 ストレートプレイ登場する』(社会評論社)

ここに『オセロ』初演の明治の演劇界について記述した。

  興味があれば読んで欲しい。 

 2月21日に書店の店頭に出るという。朝日新聞2月11日(日)の書評欄に広告がでたそうだ!

 

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