井上理恵の演劇時評

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zoom RSS 『川上音二郎と貞奴3 ストレートプレイ登場する』の評がアマゾンに載りました!

<<   作成日時 : 2018/03/12 09:27   >>

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アマゾンのレビューに長い評が載りました。

是非、『川上音二郎と貞奴3 ストレートプレイ登場する』(社会評論社)を読んでください!

1〜3まで通読すると、自分でいうのもおかしいですが、明治の新しい演劇世界が拓かれるはずです!!


 アマゾンの評 貼り付けます。

川上音二郎と貞奴3  批評

5つ星のうち5.0台詞劇の時代  さきな
2018年3月11日
井上理恵著『川上音二郎と貞奴V  ストレートプレイ登場する』が上梓された。三部作の完結編となる。川上音二郎と貞奴の演劇人生を丹念に辿るのみに留まらず、これまでの演劇史において正当に評価されてきたとは言い難い川上夫妻の、演劇史における先駆的な仕事を正しく位置づけようとする情熱に全編が貫かれているが、この第3部においてはそれが殊に顕著に表れているように思えた。著者の演劇、演劇研究史に関する知見は広く、また独自の演劇史観を持っておりそれだけ拾って読んでも大変面白い研究書であるのだが、この第3巻に強調されているのは、副題でも分かるように、歌舞伎を主とする日本の演劇にはあまりにも画期的であった、舞踊のない「正劇=台詞劇」を、欧州巡演後の川上が日本の舞台で初めて「オセロ」で実現させた歴史的意義である。貞奴が演じたデズデモーナの品位ある美しさが、男子のみで演じられる旧劇を見慣れた当時の人々の目にいかに清新な驚きを以て迎えられたか、この「オセロ」上演こそ、まさしく「モダーン・プレイ(新劇)の夜明け」の光景であること、それなのにわが国の演劇史においてこの川上の先駆的偉業は、小山内薫らの〈学者・文化人〉の起こした演劇運動が新劇の始まりと位置付けられることで不当に消されて行った事実を、当時の新聞・雑誌メディアの驚くべき精査によって明らかにしていく。おびただしい資料の発掘によって、定説化されてきた曖昧な思い込みを覆す、著者の長年の研鑽に培われた力技に読者は圧倒されるとともに、「新演劇」が近代日本に誕生した時の、新旧の文化が明治という文化的土壌の上できしみ合う光景がありありと眼前に再現される興奮を味わうことができる。同時に、あまりにも時代を超えていた川上音二郎という魅力ある人物の悲哀も、明瞭に伝わってくる。もう一つ取り上げたいのは、川上が主導した明治の新演劇が、西洋風の劇場建設の機運に繋がり、財閥が結集してこの事業に当たった経緯の重要さである。つまり近代演劇、あるいは文化と資本主義との密接不可分な関係を本書がしっかり見据えていることだ。このような文化に対する眼差しこそが今後の研究に必須であることを著者は熟知している。本三部作の完成が、近代演劇史に貴重な一石を投じたことは疑いない。





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基本情報ジャンル社会・政治フォーマット本出版社社会評論社発売日2015年02月ISBN9784784

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