井上理恵の演劇時評

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zoom RSS 宝生会月並能 金森秀祥「柏崎」

<<   作成日時 : 2018/06/11 23:21   >>

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宝生会の月並能「柏崎」を観る(2018年6月10日宝生能楽堂)


 このところ能楽堂にしばしば通っている。
能の詞章〈謡)と型の関係をしりたいからで、なかなか把握が出来ない。

 「柏崎」は、上品な能であった。演者に品があるせいもあるだろう。初演であるという!

当日配布された説明によれば(金森記)

「柏崎」は狂女物で、「一時に夫と死別し、同時に花若より文にて仏堂修行に入る由をしらされる」
「その喪失感は計り知れぬもの」
「善光寺へ狂い出で、夫の形見を身にまとい阿弥陀如来に夫と共に極楽往生を願い舞う「二段グセ」が聴かせ所」

見どころは、
「中入」で水衣に狂い笹を持ち、「物着」にて夫の形見に装束を替え「クセ」を舞う舞台上の展開
その後「キリ」にて花若との劇的再会を果たし終曲


たしかに変化に富んでいた、装束の変化も興味深かった。
静かに舞台上で後見によって形見の装束に替える所も不思議であった。「無」になっているのだから・・・・

「ユウケン」という扇を使用しておこなう型があるのだが、これを花若との再会を喜ぶところで演じていた。
それで、ああ、この型は喜びの表現なのだと知る。

能にはどのくらいの数の型があるのか、詳らかではない。
が、抑制された動きの中で、型を通して演者の感情を表現しているのだと知る。


能は、やはり謡が主なのかと、今の所そのように思い始めたところだ。

シテの謡、地謡の謡・・・・そしてシテとワキの問答・・・??  これが、今言うセリフにあたるのであろう。

日本の演劇の始まりに位置する能が、
セリフ――語り――〈謡と型と足の運び(すり足)〉というところに至る道筋をもっと知りたい・・・・

能は謎が多くて面白い。 

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