井上理惠の演劇時評

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zoom RSS 女優松本典子の死

<<   作成日時 : 2014/03/27 23:33   >>

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最も美しく日本語のセリフを語れる女優・・・・松本典子さんが、2014年3月26日に亡くなった

 本日、新代田で行われたお通夜に伺った。明日は12時から告別式・・・


 松本典子という女優の、劇場空間をビリビリと揺るがすようなあの何とも言えない〈声〉とセリフの活舌のよさが
大好きだった!  

 その意味ではファンであったのだと思う。個人的にお話をしたことはニ、三回。それもご挨拶だった。
 
とても何かを語ることはできない・・・・・・それでいいとおもっていた。

 清水邦夫の詩的なセリフを、時にシリアスに・・・・時にユーモワたっぷりに・・・・・時につややかに・・・・
時に怒って・・・・・時に凛々しく
                松本典子はわたくしたち観客に手渡してくれた。


 木冬社で舞台化された清水戯曲は、ほとんどみた。そしていつも心豊かにしてくれた。ほとんど落胆したことはなかった。これも稀なことである。

 いつも松本典子のあの声とセリフと身体がなくては、清水邦夫の世界は完結しないような想いを抱かせた。

 それは清水戯曲の女性は、松本典子に宛ててかかれているからだ。

 こんな幸せな女優は他にはいないだろう。 もし他にいるとすれば、山本安英ということになるかもしれない。

 最後の舞台といって「女優M」を演じ、松本は舞台から去った。なんといさぎよい事か…と思った。
いかにも凛々しい松本らしい。

        引き際を美しく終わらせることが出来た数少ない女優でもある。
  
 20世紀後半の演劇をけん引してきた一人の女優の死は、あの饒舌で激しい時代の終わりを告げるような気がする。

 なんと哀しいことか・・・・・

 白い大輪のダリアをささげた。

下北沢の花屋で偶然見つけたのだが、あとで調べたら、花ことばは〈華麗〉〈優雅〉〈威厳〉であった!

    まさに松本典子を送るにふさわしい花であった!  不思議は起こるものなのだ・・・・・

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